オリジナル・サプリメント

「ギア・アンティーク」勝手にサプリ
マキロニーの森林!

文責:樹霊

1)「雪の都」とその周辺の森林 −北方辺境部−

 「雪の都」とその周辺部は、「大炭田」があるだけの辺境地方とのイメージが強いかもしれませんが、それだけではありません。その事を森林という側面を軸として以下に見ていきましょう。

位置と国土状況

 この地域は、マキロニー地方の北東に位置し、南北に長い国土を持っています。東部は広大な汚染地区に接しているものの、広い国土面積を持っています。先ほど国土と書きましたが、この地域は人口密度も少なく面積の約七割が森林に覆われているという状況のため、実質的な支配者と呼べるような者はなく、各共同体がそれぞれ交易を行いながら、独自の生活を行っているという状況になっています。ただし、「雪の都」のごく周辺部だけは別であり、各国の貴族や高官から秘密裏の資金援助を受けた議員達による合議制によって運営されています。中立を称しているペトルシアから援助をうけている議員さえいます。また、敵対する国両方からの援助を受けている議員もいるようです。

「森林と湖の国」

 この地域では、先ほども述べたように国土の(国土と呼べるのならばですが)七割が森林に覆われています。とは言え森林の分布状況は一様ではなく、「雪の都」周辺部や南部の沿岸部には耕地が広がっており比較的森林は少なくなっています。しかし、内陸部の「湖沼森林地帯」に入ると立派なのトウヒ林が続き、北に行くとそれがすばらしいアカマツ林へ代わり、さらに北上すると圧倒するかのようなどこまでも続くカンバ林となります。

 とにかくこの地方はいたるところに森林が存在しており、この地方に住む人々は森林を「緑の黄金」と呼び活用して生活しています。ただし、「雪の都」の住民は、他地方で食い詰めて出稼ぎに来た人々や、出稼ぎに来たまま居着いてしまった労働者(後者の方が多い。しかし、もっと多いのは一冬超せないもの達であろう)、あるいは犯罪者などによって主に成り立っているため、森林に対する感覚は都市部以外に住む人々とかなり違っています。

 この地域の森林は、それぞれの土地条件に対応しながら広い面積にわたって分布しています。北の国の厳しい条件に耐えながら、ときに非常に美しい姿を見せ、ゆっくりとした成長を続ける姿は、「生命を否定する厳しさの中に、執拗に生きようとするものの姿」を表し、厳しい印象を与える面もあります。

 また、内陸部では森林が果てしなく続くなかで多くの湖が点在しています。その量は膨大で、全国土面積の約一割にも達します。もし、空からこの国を見れば湖だらけという印象を受けるでしょう。この湖群は元々は氷河であったもので、その活動によって地盤の弱いところが削られ作られたものです。そのため、各湖同士は現在もつながっており、雪解けの時期には木材の流通経路として役立っています。現地の人々は、このなだらか平地に続く湖群を「青い目」と呼んで親しんでいます。まさしく、この地方は「森と湖の国」なのです。

「白夜・トナカイの国」

 この地域は北方にあるため、夏の期間中「白夜」が見られる地方が多い。国土が南北に長いため最北の地では一ヶ月間も白夜が続き、比較的南にある「雪の都」でさえも一日のうち二十二時間も太陽を見る事のできる日があります。

 また、夏至には「夏至祭」、雪解けの春には青芽祭」を行います。特に「青芽祭」では長い冬の暗さを吹き飛ばすかのように人々は大騒ぎします。このため、この地方は独特の民族音楽が成立しています。また、自然の厳しさと美しさを語った民謡が数多く存在します。そのため、マキロニーのその他の地方の人々はこの地方の人々を「湖と森の詩人」と呼んだりもします。

 そして、祭りの時に欠かせないのが、この地方を代表するトナカイ料理です。トナカイはまさにこの地方の象徴であり、この地方にいるトナカイは全て家畜化していて野生のトナカイはいないと言われるほど、人々はトナカイを肉・毛皮・角製品・労働力として重宝しています。労働力として使われる以外のトナカイは、基本的に山野に放牧されています。冬が迫ってくると群れを集め、その年における森林内の冬季食料状況に合わせて、放牧で越冬できる数だけを残して捕殺する管理方法をとっているのです。こうやってこの地方の人々は、厳しい自然条件の中で自然の秩序を保っているのです。

人々の生活

 この地方の北部では、銃を肩に担ぎ犬を連れて森に向かう男性や、周りに一軒の人家もない果てしなく続く森林帯でコケモモキイチゴをつんでいる女性を見かけたりします。人々は森林に親しんで生きており、オオシカキツネの猟をしたり、河をさかのぼってサケを獲ったりして生活しています。また、この地方には少数ながら妖精族が生息しているおり、集落によっては妖精族と深い関わりを持っているようです。また、他地方の科学者や一攫千金をねらう者が、妖精族をねらってこの地方に入ってくる事もありますが、大抵は寒さに対する準備不足(銃が撃てなかったり、蒸気機関が上手く働かなかったりする)や、現地の人々による有形無形の妨害により上手くいかないようです。

 しかし、この地方が東方の汚染地区に脅かされているという事実も忘れてはならず、特に近年その影響によりこの地方の伝統的生活の存続が危ぶまれる状態になっています。

(コラム1)  トーラー仮説

 トーラー人について、その信憑性はともかく、まことしやかに囁かれている伝承があります。トーラー人は、元々は森王属性亜神とその眷族達であったというのです。伝承によると、トーラー人は肉体的能力よりも精神的能力に優れた亜神とその眷族達であり、その能力をもってかつて森王に仕えていました。しかし、その持ち前の頭脳から生み出される技術が「生命科学」分野にまで至ったことが彼らに悲劇を生みました(森王属性である彼等がこの技術に秀でたのは、至極当然の事なのですけれども)。本来は森王自身にのみ属する昆虫や動物達をトーラー人が改造して使役し始め、さらにトーラー人による科学技術の発展によって森林そのものが切り開かれていった事が、森王の機嫌を損ねたのです。トーラー人は、森王によってその容姿を自分達が使役していた昆虫や動物達に変えたうえ破門されました。トーラー人が今でも頭を隠しているのは、その自分達の姿を恥じている為だと伝えられています。森王に見捨てられたトーラー人達は、生き残るために科学技術を更に発展させていき、ついには無限のエネルギーを得ようとして降魔の月を召喚してしまったという所でこの伝承は終わります。

 この話しを補強する話しとして、トーラー人と同根とされる商業民族ラビエル人が、都市部の最貧民層のために大陸鉄道駅で売り出している非常に安価で栄養価の高いゼリー状の食物についての噂があります。この食物があるおかげで、マキロニーは工業発展を遂げながらも致命的な食糧難に陥らずに済んでいるのですが、この食物は森王の加護の力(ゲーム的には神呪「森王の恵み」)と科学技術を組み合わせる事によって大量生産が可能になっているというのです。そうするとラビエル人達は、科学技術ではトーラー人に遅れを取るものの森王からの破門を解かれた者達だという事になります。彼等の容姿が美しい事もこの仮説を補強する材料となっています。さらに、そのように大量の食料を作り出せる事からラビエル人の魔法的な能力はトーラー人のそれよりも高いのではないかと思われます。ラビエル人は、破門を解かれる代償として、降魔の撲滅とマキロニー地方の森林を再生(ゲーム的には神呪「植物成長」を使う)を命じられたのだということです。

 なお余談になりますが、全て役に立ちそうなものは役立てようとするヴァルモンでは、西方蛮国の人々がつかう「まじない」(神呪・俗呪)をさまざまな分野に役立てる研究が進んでいるようです。前述の食料生産や植物成長も実用にはいたらないまでも研究されているようです。その効果はラビエル人のそれと比べると月とスッポンのレベルです。

 また、西方蛮国にフィラムヴァルモンではほとんど見られなくなった原生林が多く残っています。人々は部族単位で集落を作り、部族あるいは一族ごとにそれぞれ十二の神々を信仰しながら狩猟や原始的な農業によって生活しているようです。妖精族野良鬼族などマキロニーの他の地方ではほとんど見られないような種族や動植物が生活していると言われています。少数ながら原始的な生活を営む闇族もいるようです。

2)フィラムの森林 −アトランディカ近郊林を例にして−

 ここでは、アトランディカ近郊のアレンス=ウェン湖北方および、レチル川上流とスサザーナ川上流に広がる森林の歴史を見ていきながら、フィラムの森林について語っていきましょう。

現在のアトランディカ近郊林

 近郊林は主に前述した三個所に分けられ、それぞれその立地条件により趣を異にしていますが、三個所とも植生はナラ・ブナを中心とした落葉広葉樹が中心です。

 アレンス=ウェン湖北方の森林は貴族領となっており、一般の市民の出入りはできず、外壁によって外側が囲まれています。内部には湖から水をひいている人工の池や噴水などがある庭園や貴族専用の乗馬場・競馬場等があります。この森林は、三個所の森林のうちでもっとも整備された森林です。一般の出入りを禁じている事と、貴族が猟を楽しむために自然な状態をできるだけ残そうとしている事が幸いして伐採が進まず、もっとも大径木の残っている地区でもあります。

 レチル川上流の森林地帯は、市民公園として整備されています。風景の良いところには散歩道が整備してあり、野外にテーブルと椅子を並べたカフェ・レストランなどがあります。休日にはここに来て過ごす人達によって賑わっています。この森林内の広大な敷地を利用して動植物園スケート場が近年オープンし、新しい観光名所となっています。

 スサザーナ川上流の森林地帯もしばらく前まではレチル川上流の森林帯と同じ趣を呈した市民の憩いの場という雰囲気でした。しかし、最近の人口増加に対応した開発に伴い荒廃の一途をたどっています。実際は、開発計画による荒廃よりも、増加する人々が薪や家屋の材料として違法な伐採を行うことによって荒廃が進んでいるようです。

 また、都市からあぶれた人々が森林内に住み着いて追いはぎや夜盗と化しているため、この地区の森林は治安の悪い危険な地区となりつつあります。

歴史上でのアトランディカ近郊林

 英雄フギアノスの登場以前、アトランディカのあった地域はレチル川スサザーナ川の氾濫源に過ぎず、沼地ナラを中心とする森林しかありませんでした。この時期にはウェン湖周辺の原生林には多くの妖精達が住んでいたと伝えられています。蒸気機関の発明以後、この地方に良質の石炭を産する炭鉱が見つかったため、小さな炭鉱町が開かれます。この時期の町の規模はごく小さなもので、まだ森林も大部分が残り森の中には時折、樵小屋が見られるぐらいでした。

 しかし、1720年大陸鉄道が完成しアトランディカ大陸鉄道駅が建設されるにあたり、この地方は急速に発展しはじめます。この発展は、周囲の森林にとっては良い事ではありませんでした。急激な人口増加に対応するための開墾によって森林は切り開かれ、建築用材、レンガを焼くため等の生活燃料材、冶金工業用材として木材は大量に消費されました。その結果、急激に森林はその面積を減らしました。町の発展とともにこの地方にも多くの貴族達が移り住むようになり、減少した森林の周辺には貴族達の別荘が建てられるようになります。こうした別荘が立てられるにしたがって貴族達は森の安全確保に目を向けだしました。それまで森林内では密猟や追いはぎが横行し、家を持たない貧民が住む暗く危険な場でした。貴族たちは軍を使って、盗賊や貧民を追い出しました。その後、自分達のスポーツとしての狩猟の場を確保するため、森林の減少を食い止めようと、森林の周囲は壁によって囲まれ、内部に点在する沼などが清掃されるなどして整えられました。森林から追い出された人々の多くは、寒さや飢えによって死ぬか、どこか他の地で再び犯罪者となりました。しかし、この貴族たちの追い出しと囲い込みによって現在もアトランディカ周辺に美しい森林が保たれているのも事実です。

 ユークリッド王朝崩壊後、アレンス=ウェン湖北方部を除いて徐々に森は民衆に開放されていきます。元々、貴族のために整備されていただけあって設備は良く、森林公園として親しまれていますが、前章でも述べたとおり、スサザーナ川上流部は新開発地区に当てられたため徐々に荒廃していき、難民があふれ、各国の密偵・魔術結社の者、貴族政権の転覆をねらう革命家等の隠れ場所と化し、治安の悪い暗い森へとなりつつあります。

(コラム2) フィラムの国鳥 −フィラム=シロシマフクロウ−

 フィラムの国鳥であるフィラム=シロシマフクロウフィラム地方に住む巨大なフクロウです。翼を広げると190cmにも達し、体重も4kgを超えます。林内に生活し、主に流れの緩やかな浅瀬で魚を捕って生活しています。フクロウには珍しく昼行性で太陽を背にその大きな白い翼を広げて飛ぶ姿は威厳を感じさせ、その飛翔する姿はフィラム空軍の旗章となっています。しかし、近年その生活区域である広葉樹林の減少のため、巣作りに必要な巨木の洞(うろ)が不足している事と、幼鳥が独立する秋に川をさかのぼるサケ科の魚がほとんど人間に獲られてしまう事からその数を減らしています。貴族達の間では保護が叫ばれていますが、保護活動は一般の民衆の生活に負担を強いるため、特に昔からフィラムに住んでいるわけではない民衆から反対の声が上がっています。

3)ヴァルモンの森林 −美しき「黒き森」−

東西で違う景色

 ヴァルモン帝国は、その領土も広いため、風景も東西で少し違っています。ヴァルモン西部は主に平地が広がっており、ヴァルモン東部は山地が中心となっています。このため大陸鉄道を使ってヴァルモンを東から西へ旅すると、ヴァルモン東部ではなだらかな山間地の間に農地と林地がモザイク状に展開し、丘陵地には葡萄畑が広がっているのを見ることができます。なお、余談ではありますが、ヴァルモン製のワインフィラム製のワインよりも通の間では評価が高いのだそうです。山間地で、トウヒモミの造林地が広葉樹林の中に短冊状に整然と並ぶ様子は近景としても遠景としても美しいものです。列車からは所々に、シカウサギよけの柵を見ることができます。列車が林内に入ると窓の外にはブナ・ミズナラ・アカマツ・シラカンバ・トウヒ等の幹や枝が目前を流れていきます。列車がヴァルモン東部からヴァルモン西部に入ると主役が森林から農牧地に代わり、視界が開け、空が広く感じられるようになります。それでも森林が少ないかというとそうではなく、広い牧草地と広い森林が直線で区切られるかのように広々とした平野にそれぞれ広がっている光景を目にする事ができます。

「暗黒の森」から「黒き森」へ

 現在、ヴァルモン東部の森はトウヒが高密度で植栽されており、その樹形は針形となって空を突き刺し、黒々とした林冠を見せています。その所々で、ナラブナ等の広葉樹の丸い樹冠が威厳を保っています。まさしくこの森はこのトウヒの黒さから、「黒き森」と名づけられたと考える人は多いようですが、かつてはこの山地はトウヒの純木ではなく、ナラブナによって覆われていました。それでは、明るい印象を与える広葉樹がなぜ「黒き森」と呼ばれていたのでしょうか。ヴァルモン地方の森林は、かつての人間にとっては、測定不可能なほど広大であったし、その中を通り抜ける事は、ほぼ不可能と言える程に困難であったのです。古くは、森林には亜神妖精達が住むと信じられていた未知の土地でありましたし、その後しばらくも獣と盗賊が支配していました。まさしく、「暗黒の森」だったのです。その後、1600年代後半からの技術革新によって、燃料あるいは建築用材として森林が伐採され、森は未知の世界から「知」の世界へ近づき、暗黒のイメージは抹消され、今日ではトウヒ「黒き森」となっているのです。

ヴァルモン人の国民性−合理的実利主義−

 ヴァルモンの国土を眺めていると、そこが牧草地と農地と森林の共存の世界である事が分かります。まるで誰かが設計図をひき、それを忠実に作りあげているかのようでもあります。森林が牧草地と農地を囲む、あるいは牧草地と農地が森林を囲んでいるかの様に見えます。この景観は、この地方で長い人間と森林との攻防戦の末作られてきたものです。しかも、これらの境界は決して固定されたものではなく、森林は常に動いています。即ち、森林と牧草地および農地の入れ替えが行われ、森林が開墾されたり、農地や牧草地に木が植えられ森林にされたりしてきたのです。こういった手法は、比較的なだらかな地形であるため選択可能な手法であり、この手法を継続的に行う事によって地力を維持し、森林を守っているのです。ヴァルモンの森林に入ると、林内が暗く林床植物もほとんど見られず、落葉した細かい針葉が茶色の世界を作っているトウヒ純木林と、ブナ・ミズナラ・ヤナギ等の老木が威風堂々と並ぶ、明るく秋には黄色く染まるナラ林とが代わる代わる現れます。蒸気機関の発明後、ヴァルモンでは一度森林は徹底的に破壊されてしまいました。その後、森林を再生しようと有用木で成長も良いトウヒ人工植林が進めらましたが、トウヒは風に弱く病害にも弱いためトウヒの純林だけを増やす事によって森林全体を破壊しかけるという失敗を犯しました。その失敗を踏まえ、針広混交林の造林がすすめられるようになって百年ほどが経過したのが現在のトウヒの純林ナラ林が交互に現れるヴァルモンの国土の姿なのです。

 さて、このような森を作りあげたヴァルモン人とはいったいどのような国民性を持っているのでしょうか。ヴァルモンの人々に「森林を美しく維持するためには、人間の手を加えなければならないか否か」という質問をぶつけてみると、必ずといっていいほど「人手を加えなければならない」という答えが返ってきます。彼等に取って「人手を加えない」事は「放置」にすぎないのです。また、『「農場や牧場や森林が入り交じっている人手が加わった森林」と「まったく人手での加わらない森林や荒れ地というありのままの自然」とどちらが好ましいと思うか』という質問をぶつけてみても、多くの人が「農地と牧場と森林が入り交じった森林」と答えます。この答えは自然のままの森林に対する根源的恐怖から来る選択ではありません。自分達の作った景観の美しさを誇りとし、その美しいものが人手を加える事によって維持され持続的に使用できるようになっているという事を理解しているヴァルモン人「強い意志の力」から来るものなのです。

(コラム3) ヴァルモンの法正林思想

 ヴァルモン人の森林に対する考え方は、何も昔から固定されていた訳ではありません。彼等は、蒸気機関発明以後、産業の発達によって一度森林を徹底的に破壊し尽くしてしまったという苦い経験を持ちます。そのため、現在ヴァルモンには原生林はほとんど残っておらず、林業に向いたトウヒを中心とした林が広がっています。その規模は、一度森林がなくなってしまった国土とは思えないほどのもので、この百五十年間にヴァルモンがどれほどしっかりとした森林業経営を心掛けてきたかという事が窺い知れます。その森林経営を支えてきたものがヴァルモン法正林思想です。法正林思想とは、例えば百年伐期なら林地を百区画にわけ、五十年伐期なら林地を五十区画にわけて一年おきにその一区画を伐採し、また植林する事によって、常に同じ伐期の木材が毎年安定して供給されるようにする考え方の事です。もちろんそんなに理論通りいくのかという疑問もおありだろうが、そこはそれ地域ごとの地味や環境に合わせ、伐期や林地の転換などを行いながら調整する事によって対処するので問題は起こらないのです。こんな所にもヴァルモン人の合理的考え方が反映されているのです。


※この記事は98年夏コミで発行された、「アトランディカ・マニアックス」に掲載された記事を加筆・修正したものです。
転載を快く承諾してくれた発行責任者の奥部ゆーき氏に心から感謝の意を表します。





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